幸せの掴み方
菜々美は、湊と一緒の食事がとても楽しかったらしく、帰りの車で眠ってしまい
湊は菜々美を抱き上げ、菜々美の部屋まで運ぶと、

「ありがとう。コーヒーでもどう?」

「ありがとう。頂こうか・・・・」

柚葉は、湊にコーヒーを淹れて、湊に渡すと

「ありがとう、湊。助かったわ」

「どういたしまして。菜々も大きくなったから、抱っこもキツイだろ!?」

「うん、ましてやこんなお腹だから、結構大変よ。クスクス・・」

「まさか、柚が子供を産むなんて、考えられなかった・・・・」

「そう?でも、普通じゃない?私の年齢だった・・・・来年は
 30歳になるし・・・・」

「そうだな・・・・年を取ったな!?」

「何よ、急に・・確かに・・・湊と知り合って、10年だもんね・・・・」

「なぁー柚、今でも旦那の事が好きか?」

「・・・・・・・・好きだったから結婚したし・・・・
 でも、今は、私じゃない人が、圭祐を幸せにしてくれるのなら
 それでいいわ!!
 圭祐の事は、そのうち時間が解決してくれるでしょ!?」

「旦那から、連絡はないのか?」

「全くよ・・・・・せめて菜々美には会って貰いたいんだけど・・・」
 
「そうか・・・・・なぁー、柚、お前が、旦那の事を乗り越えたら
 もう一度、やり直さないか?
 もちろん、奈々やお腹の子も大切にする・・・・
 考えてくれないか?」

「湊・・・・・」

柚葉は、湊の突然の告白に、驚きながら、何と答えたら良いのか解らなかった。
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