幸せの掴み方
「湊が、圭祐に『真之介』の話をするって言っていたわ・・・」

「そう・・・・・でも、その方が良いんじゃない?
 遺伝子的には、圭祐君が父親なんだし・・・・・
 菜々美にいつまでも秘密にさせておくのも可哀想よ!?」

「・・・・・・・・うん・・・・・・・」

柚葉は、圭祐に真之介の話をしたら、圭祐は、どう思うのだろうか・・・・

ましてや柚葉は、離婚して半年経って、すぐに湊と結婚した・・・・

湊との結婚に、後悔はしていない・・・・ただ、圭祐の事は、自分の中で
消化しきれない気持ちを抱えていることは、自分でも気が付いている・・・・

でも、柚葉は、湊と歩んでいく事を決めた以上、圭祐に対する気持ちには
向き合わないようにしていた。

「とにかく、落ち着いてからでいいから、圭祐さんには、きちんと
 結婚の報告と、真之介の事を話しなさいね!」

そう美代子にも言われ、柚葉は、気が重くなってはいたが、これも
避けられない事だと思い、頷いた。


そして、美代子が帰った後、すぐに湊が病室に来たが・・・・・・

「湊、どうしたの? 顔色が悪いわよ!?」

「・・・・・・・・・・・柚・・・・・・・」

湊は、深刻そうな顔をして、柚葉を見つめていた。
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