幸せの掴み方
柚香の恋心
圭祐は、柚葉がモデルになったことを知ってから、柚葉の載っている
雑誌をいつの間にか、買うようになっていた。

そんなある日、相場と柚香と三人で、社長室で打ち合わせをし、
丁度終わって、これからランチに、行こうとしたら、珍しく、
柚葉から電話が入った。

お昼休みならと、柚葉が気を利かして、この時間にかけて来たのは、
すぐに分かった。

そんな圭祐の様子を見ていた二人は、静かに部屋を出て行った。


「もしもし、柚葉か、どうした?」

「圭祐、今、話しても大丈夫?」

「あぁー、大丈夫だ!」

「あのね、菜々美の事なんだけど・・・・・」

柚葉が、菜々美が圭祐から買ってもらったスニーカーを片方、失くされたこと
から、それに纏わる幼稚園との経緯を話た。

「そうか・・・・それで菜々美は、どんな様子だ?」

「うん、今は落ち着いているし、明日、薦められた幼稚園を、見学する
 予定なの・・・・

 ごめんね・・・・せっかく買ってもらったのに・・・・」


「仕方ないよ。菜々美が悪いわけじゃないし・・・・
 
 それに、今は、一番に菜々美の事を考えてやるのが、俺達の仕事だろ!

 柚葉の判断は、正しかったよ! 俺がその場にいてもそう言うよ!

 しかし、お前、珍しく、啖呵切ったな・・・・クククッ・・・・」

「笑わないでよ・・・・・今、凄く、落ち込んでいるんだから・・・・」

そんな会話をしながらも、圭祐は、柚葉に託児所の成田に、色々、相談したら
どうだ!? と、勧めた。
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