幸せの掴み方
その夜、柚葉は、湊に

「今日、母さんの担当医に呼ばれて、話を聞いて来たの・・・」

「そうか・・・何だって、先生は?」

「うん、とりあえず、これからは、定期的に健診をしながら様子を見ましょう
  
 って・・・・でもね・・・・」

「どうした、柚葉?」

「・・・・・・・あのね・・・・・・」

柚葉は、話をしながらも、これから自分が話すことを思うだけで、涙が
零れてきた。

「・・・・・柚・・・・・・」

零れる涙を、拭いながら、柚葉は、

「母さんを、しっかり支えてくれって・・・・・再発の可能性もあることは
 しっかり覚悟しておいてくれって・・・・・」

「・・・・・そうか・・・・・・」

「・・うん・・・・でね・・・湊・・・・私、やっぱり、母さんを一人に
 して行けない・・・・・ゴメン・・・・・・」

柚葉の言葉に、湊は覚悟をしていた様で、

「柚・・・気に病むな・・・ 仕方のない事だよ・・・・

 俺が、フレデリックの事を心配するように、柚は、美代子さんを心配
 するのは、分かっている。

 柚葉・・・・・離婚しよう・・・・・その方が、お前を楽にしてやられる」

湊は、柚葉を抱きしめながら、そう柚葉に言った。

柚葉は、湊の言葉に、自分が言わなくてはならない言葉を、湊が
言ってくれたんだと思った。
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