幸せの掴み方
そして、柚葉が退院した週末の土曜の朝、柚葉の部屋のチャイムが鳴った。

柚葉は、こんな早くから、誰だろうと不思議に思いながら、玄関に
立っている人物を確認すると、そこには・・・・・

圭祐が立っていた。

「おはよう、圭祐、どうしたの、こんな朝早くから?

 まぁー、上がって・・・・」

圭祐は、柚葉に促され、部屋に入り、ソファーに座ると、

「柚葉、俺、下の階に引っ越して来たから!」

「へぇー・・・そうな・・・えっ、ええっ!! 引っ越して来た!?」

「あぁー、やっぱり、子供達も心配だし、それに、やっぱり久瀬さんが
 居ない今、俺が一番の父親だろ!!

 俺も、子供達と居たいし! なぁ、菜々美、パパが近くに居ると
 良いだろ!!」

何と、圭祐は、柚葉に爆弾を落し、尚且つ菜々美を味方に付け始めた。

「うん!! パパ、これから、一緒にご飯も食べれるの!?」

「あぁー、パパの仕事がなくて、ママが良いって言ったら、食べれるよ!!」

「やったー!!」  「・・パ・パ・・」

菜々美と真之介は、大喜びで、圭祐に抱きついて来た。

「ちょ・・ちょっと待ってよ!! 引っ越しって!!
 
 私の事なら、もう無理はしないし、大丈夫よ!!

 それに、圭祐、マンションがあるじゃない!?」

「あぁー、あのマンション、実は、従兄弟の奴に貸したんだ!!」

圭祐は、次から次へと、爆弾を投下した。
< 260 / 310 >

この作品をシェア

pagetop