幸せの掴み方
エピローグ
そんな柚葉の心配をよそに、菜々美は、1週間後、元気に帰国し、

「ママ、私、パリコレに出れるようなモデルになりたい!!」

空港で、私達の出迎えを受けた菜々美は、柚葉と圭祐にそう夢を語り始めた。

フランスでの出来事も、湊は、どこに行くにも菜々美を連れて行き、
湊の仕事仲間にも、可愛がられ・・・・・

フレデリックやケビン達とも、友達になったと教えてくれた。

菜々美の話を聞きながら、柚葉は、菜々美が一回り大きくなったように感じ、
少し寂しい気持ちと菜々美の成長を嬉しく思う気持ちとで揺れ動いてた。

空港からマンションまでの帰りの車の中では、さすがに疲れたのだろう、
菜々美は、眠ってしまい・・・・

「何か、菜々美、急に成長したみたい・・・・」

「そうだな・・・・顔つきが変わったな!・・・・」

「そうね・・・・あぁー、段々、子離れしなくちゃならないのかな?・・・

 そのうち、真之介も大きくなって、私の手元から巣立っていくんだろうし、

 子育てって、あっと言うう間なんだね!?」

「そうかもな!?・・・・なぁー、柚葉・・・・真剣にもう一度、
 やり直さないか?」

「えっ・・・・圭祐・・・・・」

「俺は、子供達抜きでも、もう一度、お前と一緒にいたいと思っている。

 今は、子供達がいるから、と、柚葉は考えているだろうけど、俺としては
 真剣に、もう一度やり直したい。

 そして、出来たらもう一度一緒に、家族になりたい・・・・」

突然の圭祐の告白に、柚葉は、戸惑いを隠せなかった。

「圭祐・・・・・私は・・・・・・」

「柚葉、今すぐでなくても良い・・・・俺達は、今まで、恋人らしい
 デートや旅行などしたことがなかったし・・・・・

 柚葉には、俺の都合ばかり合わせてしまって、どこにも連れて行って
 やれなかった。

 離婚して、色んな事が見えて来て、本当に後悔したんだ。」



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