幸せの掴み方
そして、桜の便りが、今年は例年より早く聞かれる中、菜々美の卒園式が
行われた。

平日ではあったが、柚葉と圭祐が二人揃って出席し、菜々美の卒園式を
見守った。

「・・・ズッ・・グスン・・・・・・」

「柚葉・・・菜々美が泣いてないのに、何でお前が泣くんだ?」

圭祐は、口では呆れたような言葉を発しながらも、柚葉の背中を撫でていた。

「だって・・・・・あんな小さかった菜々美が・・・・グズッ・・・・」

「はぁ・・・・全く、困った母親だ・・・」

圭祐が苦笑する中、柚葉は菜々美が小さかったころからの様子が、
走馬灯のように目に浮かび、涙が溢れるのだった。

そんな柚葉を圭祐は、優しく背中を撫で、柚葉の涙が止まるとを待った。

卒園式が終わり、園児が教室に戻ると、親たちも子供達の教室へと向う中、

「柚葉、今日は、パパさんも一緒なのね?」

ママ友の亜里沙が、やはり旦那と共に式に出席しており、話しかけてきた。

「うん、あっ、圭祐、紹介するわ。 福島 春日ちゃんの両親で、お母さんの
 亜里沙さんと、ご主人の大輔さん。」

「初めまして、菜々美の父親の『相楽 圭祐』です。」

「「初めまして・・・」」

「・・・・菜々美ちゃんのパパさん、初めてお会いしたけど・・・・・
 本当に、そっくりね!!  真之介君なんか、瓜二つね!!」

「本当に、そっくりだな・・・・・」

福島夫妻は、驚きを隠せない様子で、そんな二人の驚きに柚葉は苦笑いしながら

「本当に、二人とも父親似で、私に似てないのが悔しいくらいよ・・・・・」

柚葉の言葉に、他の三人は、笑顔が零れた。

「本当に、『誰が苦労して産んだと思うの!』って、言いたいんでしょ?」

亜里沙の言葉に、柚葉は、大きく頷いた。
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