幸せの掴み方
そんな4人の様子を、他の親たちは、決して好意的な眼差しだけではなかった
が、圭祐も柚葉も、何を言われようと、堂々としていた。

「柚葉、強くなったわね!?」

と、亜里沙がつくづくそう言うと、柚葉は、

「うん、やましい事や後ろめたいことは一つもないし、圭祐が菜々美の父親
 であることに変わりはないし・・・・・

 良いのよ。理解してくれる人が一人でもいれば・・・・・」

柚葉の言葉に、亜里沙は、

「そうよね! 柚葉は、何も悪い事をしたわけじゃないものね!」

亜里沙は、柚葉が湊と離婚に及んだ経緯も、圭祐との関係も全て知っており、
そんな柚葉に、亜里沙は、逆に圭祐との結婚を勧めているくらいだ。

「柚葉、そろそろ、先生の話が始めるぞ。」

圭祐にそう言われ、柚葉と亜里沙は、静かに教室の中に入った。

卒園式の後、教室では、担任の先生から、園児一人一人に、先生が作成した
カードを手渡し、それぞれのカードには、メッセージが添えられていた。

その後、お昼を兼ねて、担任の先生や園長先生たちを囲んで
謝恩会が開かれ、楽しい最後の幼稚園での日を、柚葉は、菜々美と圭祐と
過ごし、3人にとって、思い出深い一日となった。

菜々美と春日は、4月から同じ小学校に通う事が決まっており、柚葉は、

「4月からもよろしくね!!」

「こちらこそ!! それより、柚葉、菜々美ちゃんが入学するまでに
 真剣に、圭祐さんとの関係をはっきりさせた方が良いんじゃない?」

帰り際、柚葉と亜里沙以外、一足先に車へと戻った為、二人で話しながら
駐車場へと歩いている時、そう亜里沙に言われた。

「うん・・・・分かっているんだけど・・・・・」

「柚葉は、圭祐さんの事、好きでしょ!?

 そろそろきちんと圭祐さんにも返事をした方がいいよ・・・それに、もっと
 自分の気持ちを出した方が良いわよ!」

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