幸せの掴み方
柚葉は、瑠菜が生まれてくれたおかげで、家の中の居心地が少し良くなったが、
柚葉が6年生の時、今度は、加代子が他界した。

加代子が亡くなったことは、柚葉にとって、かなりのショックで

『お婆ちゃん・・・・何で私を置いて行ったの・・・・』

柚葉は、心の中で、何度となくそう呟き、それからの柚葉は、
今まで以上に、家族の前では、自分の感情を出すことはなく、
家族の中でも、大人しく、手の掛からない子供を演じて行った。




「「「おはよう、柚葉!!」」」

「おはよう、優香、晴美、佳苗」

柚葉は、高校に上がると、古賀 優香・秋山 晴美・横田 佳苗の
3人と常に一緒に居るようになっていった。

この3人とは、唯一柚葉が、自然に接することが出来、気を使わずに
済むかけがえのない友人達だった。


「柚葉、数学の課題、終わった?」

「うん、終わっているよ。優香、また解らなかったの?」

「だって・・数学、超嫌いなんだもん!!」

優香以外の三人は、苦笑いしながら、

「そう言えば、今日、柚葉ん家って、両親、来るの?」

「ううん、言ってない・・・多分成績に問題はないと思うし、
 お父さん達は、私には興味がないから・・・・
 だから、面談は、一人で受けるよ・・・・」

そう・・・・今日は、進路決定をするための面談の日。

私は、両親には、この事は伝えず、先生には、「両親は仕事で来れない」
と、言っておいた。

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