幸せの掴み方
お風呂から上がった圭祐を、

「ご飯出来ているけど、食べられる?」

「うん、少しだけでも食べようかな!?」

この頃、圭祐はストレスで、胃の調子が良くなく、食べ物も気をつけないと
胃の調子を悪化させてしまうので、柚葉は、胃に優しく、尚且つ栄養が
取れ、食べやすいものをと、日々苦労しながら料理をしている。

「あぁー、久しぶりに美味しい・・・・」

「そう、良かった・・・・」

柚葉は、圭祐の『美味しい』の一言で、全ての苦労が報われる様だった。

「そう言えば、圭祐たちの会社は、いつからお休みなの?」

「確か、29日から3日までだったような・・・・」

「そっか・・・本宅へは行くんでしょ?」

「うん、年始の挨拶には行かないとだからな・・・・あぁー気が重い」

「そうだね・・・・」

柚葉と圭祐は、付き合って3か月になるが、圭祐が忙しく、
あの鎌倉に出かけて以来、二人で出かけた事がない。

圭祐は、休日でも出勤し、仕事を覚えるのに必死で、転職してから
休みらしい休みを取った事がないのだ・・・・

当然、クリスマスもなく、柚葉も、圭祐の体調の悪さを気にして、
クリスマスらしい食事も作らなかったし、当然ケーキもなかった。

プレゼントだけは交換し、柚葉は、圭祐にネクタイを送り
圭祐は、柚葉にマフラーを送った。

そんな状態の付き合いが続いている・・・・・

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