幸せの掴み方
圭祐にとっては、今は仕事が一番で、柚葉の事は、二の次だった。

時々、柚葉は、何のために付き合っているのか解らなくなり、
一人涙することもあったが、圭祐を好きになり、圭祐そのものを受け入れる
事に決めた柚葉は、決して圭祐に、我儘をぶつける事はしなかった。

「柚葉は、実家に帰るのか?」

「ううん、あそこに私の居場所はないし・・・それにお母さんと会う約束
 もあるから・・・・圭祐は、少しこのお休みで、体調を戻した方が
 良いよ!?
 今まで頑張って来たんだから、少しずつ結果も出てきているんでしょ?」

「うん、やっとここに来て、結果が出てきているんだ!
 俺を目の敵にしている連中よりも、今月は、結果を出しているし・・・
 絶対に、負けない!!!」

「圭祐・・・・でも、圭祐、その人たちを恨んだり、蔑にしちゃダメだよ!
 圭祐は、次期社長になるなら、その人たちを上手く使っていかなくちゃ
 ならないんだから・・・ねぇ!?」

「うん、解っているよ・・・あいつらは、子供と一緒なんだよ・・・
 俺は、何をされても、負けないし、また恨むこともしない。
 今も苦し事が沢山あるけど、これから先、まだまだ試練があると思うから、
 一つづつ乗り越えてやるよ!!」

圭祐は、そう柚葉に告げると、眠くなったのか、欠伸が出てきた。

「圭祐、眠ったら?私は、片付けたら帰るから・・・ねぇ!?」

「うん、そうする。じゃー、お休み」

柚葉は、週末でない限りは、自分のマンションに必ず帰った。

圭祐の側にいたいが、それは圭祐の重荷になるのではないかと・・・・

圭祐が、柚葉をどう思っているのか、正直解らないし、柚葉自身が
あまり一緒に居すぎると、つい、『好き』・『愛してる』という言葉
を言ってしまいそうだったし、またその言葉を求めてしまいそうだったから・・

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