幸せの掴み方
バイトは、美代子の娘という事は伏せて働き、仕事の内容は、
本当に雑用で、お茶出しから、服の検品から、配達から、なんでもやった。

お陰で、少しずつではあったが、自分の意見や感情を出せるようになって、
優香たちからも、明るくなったと言われるようになっていった。

柚葉は、4年生になると、春の段階で就職先が決まり、柚葉と優香は、
センチュリー商事という、結構大手の商事会社に決まり、晴美は、都市銀行に
佳苗は、損保会社に就職を決めた。

就職が決まれば、4人は、卒論までのんびりと時間を過ごすことが出来る為
4人で、旅行に行ったり、バイトをしたりとそれぞれが残りの学生生活を
楽しんだ。

そして、卒論を書きあげると、柚葉は、美代子と相談し、会社にほど近い
マンションを借り、卒業式までには、引っ越しを済ませた。


「お母さん、ありがとう。ちょうど良い物件を紹介してくれて、
 助かったわ!」

「いいのよ。私に出来るのことは、こんなことだけだから・・・・
 それより、本当に、あなた荷物、これだけなの?」

「うん、私の荷物は、これだけよ。服も、家電も家具も、全てこれから
 揃えるの。」

美代子は、柚葉が引っ越しだと言うのに、スーツケース一つだけで
引っ越しは終わりだと聞いて、驚いたいたのだ。

「柚葉・・・・・あなた笠原の家では、上手く行ってなかったの?」

「ううん、居場所がなかっただけよ・・・・おばあちゃん達は、
 沢山愛情を注いでくれていたけど、お父さんとは、殆ど一緒には
 いなかったし、一緒に住むようになったのは、博美さんと再婚して
 からだから、私の居場所はなかっただけよ・・・・
 あっ、でも別に意地悪されていたとかはないからね!
 それだけは、安心して・・・・」

そう柚葉が話すと、美代子は苦しそうな顔をした。

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