World Walker

非ず者達

足元はぬかるみ、湿度は高く、気温は低いのにジットリと背中に汗をかく。

よくわからない蟲が不快な羽音をさせて集ってきて、刺されると赤い湿疹のようなものが出来て痒みを伴った。

「最悪ね…何なのこの森」

パチン!と虫刺されの箇所を叩きながらりせが言う。

「森に嫌われているんだろう…最初のうちは自然そのものが、外界からの侵入者たる我々を拒否するように虫刺されに見舞われる事がある」

ヘヴンが真っ直ぐ歩きながら言う。

「それがいつしか、裸で森の真ん中に座っていても虫一匹寄ってこなくなる…自然に受け入れられるんだ…自然とはそういうものだ」

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