そして少女は兵器になる
「――く、ぉぉぉああ……ぁが、ああああ……!?」

悲鳴とともに、少女の体が干からびていく。

瞳孔が拡大し、開いた口からは舌が垂れ、頬がこけて、皮膚がひきつり――

代わりに、強奪された私の生が、再び満たされていく。

少女の血が、命が、流れが、私のものへ変換される。

私が生きるための糧に、栄養になる。

「あはあ……」

「ぁ、ぁ……」

と、私と彼女は同時に、正反対の溜め息を漏らしていた。

私は、自分の中身がこんこんと満たされる心地よさに陶酔し、

少女は、存在そのものを略奪される寒さに、涙した。

その涙さえも、私は、秒の間に枯らしてしまう。

私は、生を、貫いた。

天井隅からまた、始まった時のように、あの時のように、

「8、第四段階、クリア」

ねっとりした喜悦の声が告げ、腕に残った乾燥物は、かしゃりと崩れてしまった。
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