そして少女は兵器になる
少女が私の腕を掴んで、口をパクパクさせながら、じたばたする。

「く、――ぁ……、は、あ゛ぁ゛……が……っ!!」

空を掻く少女の手や、地を離れて暴れる足が、痛ましい。

呼吸なのか悲鳴なのかわからない音が、ひゅーしゅーと彼女の喉から聞こえる。

見開かれた眼は、亀裂が入ったようにさらなる血走りを見せ、私を睨んだ。

よくも、よくもよくも、よくもよくもよくもよくもよくも……

掠れて聞こえない少女の声は、口の動きでわかった。

だけど、

「ちが、……う」

少女は絶対的に、間違ってる。

「いきの、こ、るのは、わた……し」

「んぎっ……!?」

そして私は腕を肩まで押し込め、背中から、少女の首根っこを掌握した。

いつかそうしたように、弱肉強食を、私こそが果たす。
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