そして少女は兵器になる
命令されるまでもないと、闇にいざなわれるように、私の足は動いていた。
白い壁と壁の間を抜け、闇に踏み込む。
闇の中は、上から照らしてくる偽日もなければ、温度もない。
部屋の中よりも固く、冷たい床の感触が……なぜか、心地いい。
なぜか。
そうそれは、私に体温があると、実感できるから。
なにもわからない、なにも求められない私が、しかしぬくもりある生物だと体感できるから。
だから、闇の冷たさが逆に、心地いいのだ。
生ある私は、ここにいる。
右に左に、壁があるかはわからない。
上に天井があるかは、わからない。
だけど正面に、縦長の、明かりが見える。
明かり?
いや違う。闇の向こうに見えるそれは、真っ白い、部屋だ。
白い壁と壁の間を抜け、闇に踏み込む。
闇の中は、上から照らしてくる偽日もなければ、温度もない。
部屋の中よりも固く、冷たい床の感触が……なぜか、心地いい。
なぜか。
そうそれは、私に体温があると、実感できるから。
なにもわからない、なにも求められない私が、しかしぬくもりある生物だと体感できるから。
だから、闇の冷たさが逆に、心地いいのだ。
生ある私は、ここにいる。
右に左に、壁があるかはわからない。
上に天井があるかは、わからない。
だけど正面に、縦長の、明かりが見える。
明かり?
いや違う。闇の向こうに見えるそれは、真っ白い、部屋だ。