そして少女は兵器になる
ひょっとしたら、私は時空の狭間を巡回し、自分の部屋へ舞い戻ったのかと思った。

けれど、そうじゃない。

一歩踏み込んだそこは真っ白な部屋で、眩しい証明が灯っていて――そして、真っ赤な人がひとり、いた。

まるで私のように、……私そのものなんじゃないかと思う、真っ赤な少女が。

ふと、ひとりで? と疑問を抱いた。

そして知識が、私に答えをくれる。

少女は、ひとりじゃない。

右目は右上を向き、左目は真左を向き、右唇は垂れ下がり、左唇は笑い、右手は指遊びをし、左手はカタカタと震え、右足はだらりと床に投げ出され、左足は空中を時々無意味に蹴っている。

きもち、わるい。
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