そして少女は兵器になる
右足が、そして左足が、協力して少女の体を立ち上がらせる。

だらりと力ない左腕の先、足を持ち上げられている私は、

「「「ねぇ」」」

今まで耳にしたことのない、空気の重複振動に、戦慄した。

間違いない。少女の中には、たくさん、たくさんたくさん、いる。

命が、たくさん、入ってる。ぐちゃぐちゃに、袋づめにされてる。

「「ねぇ」「わたし」「いっしょに」「ここへ」「あなたが」「いきのこるのは」「だから」「あたし」「ね」「じゃくにく」「ちがう」「ここから」「そこは」「いきる」「おまえは」「ちがう」「わたし」「なれ!」」

いったい、どうやって声を出しているのか……認めたくなかった。
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