そして少女は兵器になる
少女は、私と同じなのに、私と違って、ひとりじゃない。

体はひとつなのに、中身が、いくつもいくつもいくつもいくつも……。

やっぱり、そう、きもち、わるい。

全身全霊の拒絶反応が脳信号として脊髄を走り、思わず、その電撃で動けなくなった。

動けなくなった私は、

「最終段階、開始」

天井隅からの宣告に、反応できるわけがなかった。


少女の右目と左目が一斉に私へ向き、歪んでいた唇が、気味の悪いほど綺麗に綺麗に笑う。

瞬間。

少女の左腕が伸び、私の右足首を掴んだ。

あ、も言えない間に引っ張られ、私は床を滑る。

辿り着くのは当然、私をおもちゃのように掴んだ少女のもと。
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