あおぞら。




妊娠がわかった時、わたしの頭の中は「どうしよう」と不安でいっぱいだった。


でもそらが、「産んでほしい」と言ってくれた。
その言葉に、わたしは確かに救われた。

「ふたりなら大丈夫」と思えた。





でも、ふたりじゃなくなったら?




わたしひとりで抱えられるほど、わたしは強いだろうか。歩けるのだろうか。




そして思い知った。

自分が今まで散々そらに甘え、守られてきた弱い存在だということを。



「………らない」




答えなど、もうとっくに決まっていたのだ。




「いらない…いらない、いらない!!そらがいないなら、子供なんていらない!!」




そらが死んだ、あの日から。





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