禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
ミシュラに詰所の中を案内され千人長らを紹介されている間、アンは兵たちの視線を集め続けた。
「あのリヲ団長の妹ぎみって言うから、どんなおっかない娘っ子が来るかと思ったら…」
「ニコニコと愛くるしくて優しそうで、団長とは正反対じゃねえか!」
「けど美しさは噂通りだな。見ろよあの髪。ピカピカでまるで金を溶かしたみたいじゃねえか」
「とんだ上玉だ、たまらんな。こりゃ明日からの訓練が楽しみだ」
好奇心と少々の下心を丸出しにした会話があちらこちらでコッソリと繰り広げられる。
無理もない。
日々張り詰めた環境で戦いと鍛練に明け暮れる男たちの中にとびきりの美少女が投げ込まれたのだ。
遠目に見ながらその感想を口にするぐらい可愛いものだと、アンの隣に立つミシュラは団員たちの様子を見ながら思った。
しかし。それを良しとしない者が、外より詰所に帰還した。