禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
「多少素早くても繰り返せば同じ動きは見破られる。それに体重を掛けすぎて不安定だ。ちょっとばかし目のイイ奴なら今の様に足を払われて転がるのがオチだな。お前の戦い方は戦場では死ぬだけだ」
冷ややかに、けれどハッキリと言ったリヲの指摘に、ミシュラ始め団員達はポカンと口を開いた。
たった今、第一騎士団の副長をここまで追い詰めた細腕の少女を、誉めるどころか『戦場では死ぬだけだ』とまで酷評するとは。
「ちょっ…、リヲ!初めて実戦形式をした女の子に向かって厳しすぎやしないか!?」
ミシュラは思わず食って掛かった。
実際手合わせをしたのは自分だ。リヲの言い分も確かにあるが、あの身のこなしは実戦でも十分通用する。それを頭ごなしに否定されちゃ副長の面目も丸潰れだし、なんたってアンが可哀想だ。
恐らく他の団員も同じ気持ちだったのだろう。遠巻きに眺めながらも皆リヲをジッと責めるような目で見ていた。