禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~



「いやいや、アンは本当に剣のセンスがあるね。さすが名門のガーディナー家だよ」

癖っ毛のへばりついた額の汗を拭いながら、ミシュラは感心を籠めた口調で言った。

その隣でアンも首筋の汗を手で拭いながら

「だって剣を振るのは楽しいもの」

と目を細めながら機嫌良く答えた。

副長のミシュラに拮抗しているアンの実力は第一騎士団でも軍を抜いており、結局彼女の訓練はミシュラが直接つける事となった。

幼い頃から元騎士団長の父の教えを受け、人形や花輪の変わりに剣を抱き森を駆け回って育ったアンにとっては厳しい第一騎士団の訓練も得意の遊びとなんら変わらない。

剣術はもちろん馬上訓練に於いてもアンは軽々と馬を操って見せ団員達の舌を巻かせた。

そしてそんな彼女の華麗とも云える身のこなしは多くの男達の目を惹き付けずにはいられなかった。


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