スイートペットライフ
ここのアミューズメントパークは普通の家庭に育っていた子供なら何度か家族で訪れたことがあるような場所だった。
何日も前から予定するような感じではなくて、「天気もいいしお父さんせっかくの休みだから行きましょう」とその日に提案してから来るような場所。
母子家庭の私には縁遠い場所だ。ゆえに一度も訪れたことがない。
チケット売り場で楽しそうにしている家族を見つめてふとそんなことを思っていると、繋いだ手が急にギュッと握られた。
大倉さんをみると、にっこりとほほ笑んでくれていた。
私の考えていることが分かったわけじゃないだろう。だけどここで、私の手を握ってくれている人がいることが何だかとてもうれしかった。
「きゃー!ちょっと止めて!」
そこまで大きくないジェットコースターの最前列に私と大倉さんがならんで座っている。
「がははは~」
震えあがる私を尻目に隣の男は大笑いだ。
一回転さえしないコースターだったが、怖がりの私には十分な代物だ。
終わった時には、前髪はフルオープンだし大倉さんのお気に入りのポニーテールは左に大きく曲がっていた。
「か、髪直さないと……」
ふらふらしながら言う。
「まだいいよ。次のに乗ったら直してあげる」
え?続けて乗るの?しかもまた髪が乱れるってこと?
「さぁ!行くよ~」
手を握られて引きずられるようにして連れて行かれる。
「待って、ちょっと――!」
何日も前から予定するような感じではなくて、「天気もいいしお父さんせっかくの休みだから行きましょう」とその日に提案してから来るような場所。
母子家庭の私には縁遠い場所だ。ゆえに一度も訪れたことがない。
チケット売り場で楽しそうにしている家族を見つめてふとそんなことを思っていると、繋いだ手が急にギュッと握られた。
大倉さんをみると、にっこりとほほ笑んでくれていた。
私の考えていることが分かったわけじゃないだろう。だけどここで、私の手を握ってくれている人がいることが何だかとてもうれしかった。
「きゃー!ちょっと止めて!」
そこまで大きくないジェットコースターの最前列に私と大倉さんがならんで座っている。
「がははは~」
震えあがる私を尻目に隣の男は大笑いだ。
一回転さえしないコースターだったが、怖がりの私には十分な代物だ。
終わった時には、前髪はフルオープンだし大倉さんのお気に入りのポニーテールは左に大きく曲がっていた。
「か、髪直さないと……」
ふらふらしながら言う。
「まだいいよ。次のに乗ったら直してあげる」
え?続けて乗るの?しかもまた髪が乱れるってこと?
「さぁ!行くよ~」
手を握られて引きずられるようにして連れて行かれる。
「待って、ちょっと――!」