スイートペットライフ
***

私はベンチに座って大倉さんが買ってきてくれたジュースを一気に飲んでいた。


「もう、ミィったら、機嫌なおして」

“ツーン”という擬音が聞こえるぐらい大倉さんから顔をそむける。

すると回り込んで顔を覗かれる。

「ねぇ、もう乗り物は終わりにするから、ご飯食べよう!お弁当だよ。機嫌直さないと出汁巻き卵全部食べちゃうよ~」

「それは困る!」

とっさに返事をしてしまう私。どれだけあの出汁巻き卵に魅せられているんだ。

「じゃあ、髪の毛綺麗にしたら、ご飯にしよう」

そう言ってベンチの後ろに回り私の髪をとかし始めた。
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