スイートペットライフ
「ありがとう諏訪君。でもどうしてあんなこと」

照井マミに言わなくていい一言を最後に投げかけた真意を知りたかった。

「どうしてって、もういい加減お前のペースに合わせてると全然前にすすまないし。それにこんなことされても相談もしてもらえないんだろ?だったら俺なりの守り方でお前を守るしかないじゃないか」

「でも……」

「これでいいんだよ。っていうかお前こそ挙動不審だぞ。もしかして好きな奴いるの?」

そう聞かれて私はだまった。

「いいや、付き合ってる奴いるの?」

「いないけど」

それは即答できる。いつでも嘘が付けない自分が嫌だ。

「そうか、だったら俺はこのままお前を好きでいつづける。付き合ってないなら可能性はゼロじゃないだろ?」

そう言ってコピーを終えた資料を持って一緒にコピー室から出るようにドアを開けられた。

そして一歩外にでると、他の社員たちが私達二人をじっと見ていることに気がついた。

「話筒抜けだったみたいだな」

昼休みがとっくに終わったフロアに私たちの会話が響き渡っていたのだろう。面白いものを見るようにニヤニヤしている人もいる。

あーー恥ずかしすぎる。

そう思いながら席に戻ると佐和子先輩の眉間に皺がよっていた。

「照井の奴ほんとどうしようもないね。それよりあんたこの状況どうするのよ?」

さっきまで諏訪君ときちんと話をすると佐和子先輩に話していたが状況が大きく変わってしまった。

まさか諏訪君との微妙な関係が所内の人に知れ渡ることになるなんて。

「あの話今さら話せる雰囲気じゃなくて」

そう佐和子先輩に言うと「そうよね。あんたつくづくついてない女ね」そう憐れんだ目で見られた。
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