誠につもる白雪かな
四半刻後(30分)


土「はぁっ...凛..大丈夫か...!」


凛「げほっ...土方さんこそ...はぁ..息上がってますよ?」


腕を斬られた久坂は出血でもはや瀕死の状態だった。


久「くそ...お前らに斬られるくらいなら...」



ぐさっ!!!


久「うっ...!!」


寺「久坂!!!!」


久坂は自ら腹を切り自害した。


寺「くそ....この恨み...忘れぬ!!」



ぐさっ!!!


寺島も久坂の後を追うように自害した。



凛「はぁ...」


土「手間が省けたな。」


凛「はい...」



カチャン....


ゆっくりと刀をしまいながら凛は言った。


凛「知ってますか?」


土「何をだ?」


凛「一つとや、卑き身なれど武士は、皇御軍の楯じゃな、これ御楯じゃな。二つとや、富士の御山は崩るとも、心岩金砕けやせぬ、これ、砕けやせぬ。三つとや、御馬の口を取直し、錦の御旗ひらめかせ、これ、ひらめかせ。四つとや、世のよし悪しはともかくも、誠の道を踏むがよい、踏むがよい。五つとや、生くも死ぬるも大君の、勅のままに随はん、なに、そむくべき。六つとや、無理なことではないかいな、生きて死ぬるを嫌ふとは、これ、嫌ふとは。七つとや、なんでも死ぬる程なれば、たぶれ奴ばら打倒せ、これ、打倒せ。八つとや、八咫の烏も皇の、御軍の先をするじゃもの、なに、をとるべき。九つとや、今夜も今も知れぬ身ぞ、早く功をたてよかし、これ、おくれるな。十とや、遠つ神代の國ぶりに、取つて返せよ御楯武士、これ、御楯武士.....」


土「なんだそれ?」


凛「久坂が読んだ歌です。」


土「数え歌か。」


凛「えぇ。志は違えども、己の誠を貫く志は皆同じ。みんな正しいと思ってやってるんです。」


土「あぁ。」


凛「死んでいった同志も、この人たちも...もう一度生まれてきたいと思える国を作りたいですね。」


土「やれるさ。俺たちなら。」


二人の亡骸に手を合わせた凛を見て土方は再び強く志を胸に思った。


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