あの夏、私は「恋」を知 り ま し た 。
「んー…わかんねぇな、随分いってねぇし」

腕を組み口を尖らせながら考え中の顔をしている光はなんだか面白い。

「ぷっ…ならさ今から行かない?」

ふと吹き出してしまったがきっと気づいてはいないだろうと思い軽く流してみた。
「行くって秘密基地にか?」

「うんっ!場所とかうろ覚えだし見つけたら夏希も連れてこっ」

あたしはそういってなんとか光を説得させてあの秘密基地へと向かった。





────…。


────────…。


どれくらい歩いただろうか。
あの神社がありそうなところを探して約30分経っただろう。


「なぁもう諦めよーぜ…」
光は腕で汗を拭いながら言う。
確かにこう暑くては日射病になる確率もある。

だけど…
なんかわかんないけどものすごくあの秘密基地へ行きたくてしょうがなかったのだ。

だからあたしは光に「もう少しだけ」と願い再び探索をはじめた。




森っぽいところをずっと歩きつづけちょくちょく光に目をやっていたがそろそろヤバそうだったから今回は諦めようと思い帰えろうとしたその時だった。


「はぁ、はぁ…日向、あれじゃね?」
息切れしながらも森のところを指差してあたしになにかを教えている。
光の指差す方向をあたしは目線をやり少しずつ近づいてみた。




「────!!」

光が教えてくれた場所にいってみれば…
そこは…

あの神社だった。


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