あの夏、私は「恋」を知 り ま し た 。

「わぁ！懐かしい！」
その神社に足を踏み入れた途端にでた言葉はこれだった。

「だなー！」
と、光は喜んでいるのだがやはりこの暑さのなかずっと歩きっぱなしだったせいか光のひたいには汗がビッショリで呼吸もなんだか荒い。

あたしはそんな光が心配になり少し休もうと言っていっときここに休憩する事にした。


「ここ、風が程よく吹いてるから涼しいな」

「うん、それに昔と変わんないねー」


他愛ない話を交わすあたし達。
そんなときあたしはあるものに目が止まってしまった。



────？



なんだろ、あの祠んとこにある紙みたいなの…。


好奇心でその祠に近づき紙のようなものを見てみる。


「…お…ふだかな？」

首を傾げながらあたしの右手は無意識にそのお札に手を伸ばしていた。

「おま、やめとけって」

光に言われハッと我に返る。
我に返ったとたんあたしは右手をお札から離した。


あたしがその祠から立ち去ろうと一歩下がった時、ものすごい風が吹いてきた。



「────きゃッ」


その風はほんとに一瞬であの強風はなんだったんだと思わせるくらい通りすぎるのが早かった。


あたしは再びなぜか祠に目をやっていた。


────！！