あの夏、私は「恋」を知 り ま し た 。

あれ…?
お札がない。


どこいったんだろ。
あたしは自分の足元など祠などの近くを
探してみる。


「どうしたー?」

光に声かけられたときにあのお札をみつけなぜか手に持ち光の方をみた。

「お前、やべーって!」

「あ、あたしじゃないよ!」

あたしは手を左右にブンブンと振りながら慌てて否定をする。



────…。



2人していっとき黙り、静かでとても長いようで短いような時間が過ぎて行った。




「…そろそろ帰ろっか」
口を最初に開いたのは光だった。
その言葉にあたしは軽く頷きこの秘密基地であった神社をあたし達は離れた。






あの神社からあたしの家までそう遠くなく15分くらいで辿り着いた。

夏だから日がくれるのは遅くまだ明るいが心配だといって光は家まで送ってくれた。


昔からそういう小さな優しさがどことなく嬉しかった。


「今日はあたしのわがまま聞いてくれてありがとね」

「別に気にしてねーよ、俺も行きたかったしさっ。今度は夏希も連れていこ」

「うんっ、ならばいばい」

「おう」

お互い別れを告げてあたしは1人自分の家のなかに入った。


ガチャリ。

────…ギィ。


「ただいまー」


シーンとした空間が流れている。
あ、そういやお母さん今日は仕事でいないんだっけ。


ふとこの事を思い出し、あたしは玄関で靴を脱ぎ自分の部屋へ向かいパジャマとしてきているジャージに着替えた。


そして、そろそろお腹が空く頃だったしなにか簡単なものでも作ろうと思いキッチンへ足を運ばせた。



< 6 / 8 >

この作品をシェア

pagetop