あの夏、私は「恋」を知 り ま し た 。

キッチンに向かったその瞬間────…

あたしは凄いものを見てしまったのであった。



ガサガサ…ゴト……シャクシャク。



え、なにあれ。
なんか居る…んだけど。



ゴソゴソと冷蔵庫の方で物音を聞きつけゆっくりと近づいてみた。




……。


────────えぇ!?

ふ、ふ、不審者!?
てか泥棒!?


あたしの頭の中は真っ白になりパニック状態にまでなってた。


その時、不審者らしき知らない人がこちらに気づいたのかあたしの方をみてきた。



「んー? アンタ…確か…」

「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ‼」

不審者らしき人が急に立ち上がりあたしの方へ寄ってきてそれにびっくりしたあたしは悲鳴を上げてしまった。


その悲鳴を聞いた不審者らしき人はあたしが急に悲鳴を上げたせいでビックリしている。


「…怖がらないでよ」


ええっ。
十分怖いんですけどっ。


そういって不審者らしき人はあたしに再び近づく。


「ち、近づくと警察呼ぶぞっ」
あたしがそう言っても不審者らしき人はどんどん近づく。

「ほ、ほ、ほんとに呼んじゃうよっ」

そう言った時だった────。

「俺、アンタにお礼がしたいんじゃき」









長い沈黙が流れる。







……お礼?


お礼ってなんの?




頭の中にはたくさんのはてなマークが浮かぶ。


「俺の封印解いてくれたんじゃろ?」





再び沈黙。





え、なんの話なの…?
これ。


封印?



「ちょ、なんの話なの?」
あたしは思い切って聞いてみた。


「神社で祠についてたお札剥がしてくれたんだろ?」
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