ロング・ディスタンス
 お昼は集落にあるラーメン屋で済ませた。
 雨が降っているので、いつもの入り江には行かずに太一のアパートに直行した。こんな天気の日は家でまったりしようというわけだ。
 この前みたいに、彼は緑茶とスナック菓子を出してくれた。
 栞は今回もお土産に海燕堂のロールケーキを持ってきた。今回はイチジクロールである。
 太一は雨降りの日を想定して、宅配のレンタルDVDを数本借りておいてくれた。二人は今年上映されたばかりの、ハリウッドのファンタジー映画を観ることにした。

 太一がロールケーキも切って出してくれた。
 二人はお菓子をつまみながらDVDを観ている。
 なんだか学生時代に戻ったような気分だ。実際、栞にとって男の人とこんなふうに過ごすのは初めてのことだ。
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