鬼神姫(仮)
「……それでは、親しくしてくれとは言いません。しかし、畏まった態度などはなく、普通に接して頂けるということで構いませんか?」
雪弥は一つ咳払いをしてから三人に訊いた。
「何で上からだよ」
「オッケーでーす」
「私は……その、普通にというのは……」
何故か三者三様の言葉が返ってくる。
──ああ、本当にやっていけるのかしら。
雪弥は頭が痛くなるような思いを感じながら、勝手にして下さい、とだけ告げた。それでも、胸に湧くのは嬉しさだ。だけれど、それと同時に一抹の不安も感じずにはいられなかった。
この先待ち受ける運命。それを必ず変えられる保証など何もない。
運命は廻る。
それが雪弥の死を回避出来るという意味だとは限らないのだ。