【完】春紫苑
「私が決めるとか嫌だよ。将光の好きなようにしたら良いんじゃない?」
こんなこと言ったら眼鏡くんはどうなるか分からないけど。
……まぁ、きっと不登校になっちゃうんだろうな。なんてどこか他人事な考えが頭をよぎる。
「美琴ってば、俺がやり過ぎて退学になっちゃうかもよ?それでも良いのかよ~?
全く冷てーんだから」
ったく、何言ってんのよ。
「ならないって分かってるくせに。それとも何、退学にしてほしいの?」
将光は絶対に退学にならない。
どんなことがあっても。
というか、そんなこと私が許さないし、させない。
「ははーバレてたか。なるわけねーもん、理事長の娘の彼氏が退学とか」
そう言って将光は悪戯っぽく笑った。
「経営してるのがうちの会社だってわけで理事長は父親じゃないけどね」