暗闇の鎌【読みきり短編集】
「翔太君お待たせー! 今日も少し遅れちゃったね、ごめんねー、どこへ行く?」


「え……どうしたの美知、その目」


彼は壁に寄りかかった体をこちらに向き直し、目をまんまると大きくした。


――物凄く驚いている? そりゃそうよね。全ての魔法を使い切ったんだし。


「……綺麗かな? 翔太君、早く行こうよ」


行き先の分からないまま、彼の腕に手を回し、引っ張った。歩き出すと、彼の重みのある体がやっと歩調を合わせてきた。


「あ、あのさ、どうしたの美知、いつもと違くない?」
< 69 / 118 >

この作品をシェア

pagetop