無力な僕らの世界と終わり

ミーティング






瑠樹亜と、美山さん。

美男美女を目の前にして、ポテトを頬張る。


ナゲットのマスタードソースをポテトに付けながら食べるのが、あたしのお気に入り。

固いところをポリポリ食べるのも。
柔らかいところをふにゃふにゃ食べるのも。
どっちも好き。


瑠樹亜は多分、ジンジャエール。
それから、ポテトのL。

美山さんはオレンジジュースに、チーズバーガーとポテトのSを食べている。

美山さんのケガはすっかりよくなったみたい。
ここからでは、傷がどこにあるのかも分からないくらい。


……ところで。

さっきから黙々と食べることに集中してるけど。
今日はミーティングじゃないのかな。




「ここは、うちの学校の子達が多いから、食べたら、場所を変えようか」


そう言ったのは、美山さん。

それなら、最初から違うところにすればよかったのに。
あたしがそう心の中で呟くと。



「マックのポテトが食べたかったんだ」


それを察したように美山さんは笑った。


「瑠樹亜もね、マックのポテトが好きなんだよ」


「……そうなんだ」


「悪い?」


「悪いなんて言ってないじゃん。
ひよに冷たく当たるのやめてよ」


「何だよ、それ」


「あ、ううん。
いいよ、美山さん、別に、あたし」



……瑠樹亜に冷たくされるの好きだから。

それは言葉にしないけど。






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