くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
おばあちゃんにこうして励ましてもらい、慰められた夜は何度あったろう。
小太りで男の子にからかわれて泣いて帰った日の夜も、おばあちゃんはこっそりキャラメルをくれて、ぎゅっと抱きしめてくれたんだ。
あの時より小さく見える姿だけど、その存在感はとてつもなく大きい。
あたしが小さな子どもみたいに撫でられてると、おばあちゃんはふと野島に目を向けて唐突に言った。
「そこのわらすば、愛情薄い育ちが? よす、よす。頭下げなっせ」
「え、 俺?」
野島は自分を指差して目を丸くしたけど、おばあちゃんは答えずに彼の頭に手を当てていきなりぽろぽろと涙を流しはじめた。
「ちょっと、野島! おばあちゃんを泣かしたら許さないよ!」
「……俺は何もしてねえよ。……たぶんだけど」
あたしが怒鳴りつけたら、野島も声を張り上げて返してきたけど、声が尻すぼみになったのはやっぱり思い当たる節があるからじゃないのよ!
あたしは助けようとおばあちゃんの横に体をいざると、おばあちゃんはエプロンで涙を拭って「大丈夫さぁ」と言った。