予言と未来
「電撃(スパーク)。」
ライネスが小さく呟くと、小さな電撃がライネスの剣を包んだ。
「はぁっ!!」
ウィンが強力な蹴りを繰り出すと、ライネスは それを剣で防いだ。
その瞬間、それ迄 疾風の如き速さで動き回っていたウィンが、その場に崩れ落ちた。
「……な……に……?」
「痺れたんだよ。」
地面に座り込んだウィンを、ライネスは いつもと同じ冷めた瞳で見下ろした。
「こっちが手加減して剣だけで戦ってやってたっつーのにさ……結構 痛い想いさせてくれんじゃん。俺だって魔法くらい使えるから。」
「…………っ。」
ウィンは小さく息を飲む。
目の前に居るライネスの瞳は冷たくて、殺されてしまうんじゃないかと言う考えが、ウィンの頭に ぽつんと浮かんだ。
「……お前、俺に勝つって言ってたよな?」
ライネスは剣を振り上げる。
「残念だけどよ、俺は……罪を償う方法を見付ける迄……。」
「や……っ。」
「誰にも負ける気は、無いんだ。」
ライネスの剣は、ウィンの頭の上に振り下ろされた。