危険な男友達



本当にそれだけしか理由はないみたいに言うしの。


「もしかしてお前俺が何かするかと思って警戒してんの」


とニヤリと悪い笑みをしてあたしに視線を向ける。

確かにしのとはいちよ昨日付き合い出したからそっちの心配もなきにしもあらずだけどさ…!

それより付き合ったことがないあたしは、彼氏になったしのとの接し方がよく分からない方が問題なんですけど!!


「そっそんな心配全然してないしっ!しのがあたしに何かしたくなるなんてありえないし!てかピザ頼むんでしょ。頼むなら早くしよ!」


「ふーん、ありえないね。そうだなさっさと注文するか。」



それからしのが電話して頼んだピザを二人で食べる。冷蔵庫にあったお酒もあけてお互いの愚痴(主にあたしの)を言い合ったり、高校の同級生が今何してるとか他愛ない話しをしてすごく楽しかった。


心配してたみたいに気まずいことなんて全然なくて、むしろ聞き上手のしのに女友達と喋るときよりもあたしは饒舌になる。


――全然心配なんてすることなかったじゃん。

案外付き合うってことにとらわれてただけで、そんな大したことないのかもしれない。


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