社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。



げ、これはさっきの野宮さんの…いつもなら鏡で必ずチェックするのに、今日はうっかり忘れていたことを今になって思い出す。



「このまま営業行かなくてよかったですね」

「…そーですね…」



そう言いながら、彼女はポケットから取り出した自分のハンカチで至って自然に俺の襟を拭いた。



「……」

「あ、取れた。よかった、少し粉がついてただけみたいです」

「…ふっ、」



そんな彼女の姿に、思わずこぼれたのは笑い。



「?何ですか」

「いや…おかしな子だなと思って」

「?」


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