そのキスの代償は…(Berry’s版)【完】
その後の二人

公然

それから、私はあの人と二人で会うことが怖くなった。

会社ですら意識して二人きりにならないようにした。

奥様にばれたのだから…

いつ公然の事としてさらし者にされるかなんて…
わからない。

単純に奥様にばれたという問題だけではない。
あの人の奥様はうちの会社の重役の子女。

婿養子の彼に、そして婿養子をたぶらかした
女の私に、何のお咎めもないわけがない。


別に関係を秘密にするなんて約束はどこにもない。

私は何を考えてこんなことになってしまったのだろう?




翌月の飲み会の前日までは…もう会わない。
メールも返信しない。
そうすれば、そうすればもう終われると…思っていた。

でもその決心は時間が経るに従い、段々と薄れていく。

そう、躰はあの人を求めている。
会わなければそれでも我慢できるかもしれないけど…

毎日同じ会社に出勤する。
視線の先に…あの人はいる。

その姿を見れば私の胸は高鳴り、躰は反応してしまう。

そして、結局メールが来れば返信してしまう。
誘われれば行ってしまう。

結局私は、あの快感を…手放せるわけがなかった。

あの人の言うとおりに…
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