Summer again with


その言葉は、現実逃避をしに来た私をどん底へ落とすもので。

『…そ、そうだけど……』

ちょっとでいいから、話がしたいのに。

話せたら、勉強しにおじいちゃん家に帰るから。


けれど、ナツはもっとショックなことをいった。


『…悪いけど、今年はあんま遊んでやれない。お互い、勉強しよ』


……そんな。

嘘でしょ?

思わず涙ぐむ私の目を見て、一瞬ナツの顔が曇る。

けど、すぐに私から目をそらした。

そして、すたすたと歩いて行く。


砂浜に置き去りにされた私は、呆然として立ち尽くしていた。


…ちょっとくらい、話してくれてもいいじゃんか。


『…ばかぁ…』


それから二日間、私は海に行かなかった。





おじいちゃん家に来て三日目。

海に行くと、やっぱり人で溢れていた。

『…………』

…つまんない。

ナツがいないと、つまんないよ。

とぼとぼと堤防へ歩いて行って、ぼうっと海を見る。

…来年、会えるって言ったじゃん。

それだけ楽しみに、一年過ごしたのに。


この二日間、悔しくて膨大な量の課題を一気に進めた。

でもやっぱり寂しくて、海に来ちゃったけど。

ぶどう味のかき氷片手に、足をぶらぶらさせていたら。



『…また、つまんなそーな顔してる』

声に、目を見開く。

ぱっと横を見ると、近くでこっちを見つめるナツの姿があった。


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