悪魔の彼






−数十分後−






私は……


薄いピンクに白いレースがついたドレスを見に纏い、うなだれていた。




「最悪………」



目の前の仮面を見つめながら言う。


暗号の意味は扉を開けないとクビだっていう意味で、家の人だと気づいて焦っていただけだそうだ。



「こんな服着て人前に出るなんて嫌」




私はピンクが大嫌いだ。


それにこのドレス、胸元が大きくあいていて、絶対ダンスなんてできない。




『着替え終わった?』




扉の外からイアの声が聞こえてくる。



「う、うん……」


「可愛いじゃん。」



扉を開けながら言う。


私の顔はほんのり赤い。

フロウも部屋をのぞき、なにかぶつぶつ言っている。

予想以上だとか思ったよりだとか、喜んでいいのやら悪いのやら……









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