素敵な上司とキュートな部下
数分待って二人は車に乗り込んだ。車内はまだ涼しいという程ではないが、外よりマシな程度には冷えていた。


「走ってる内にもっと冷えますので」

「はーい」

「ところで主任、どこへ行きましょうか?」

「どこって言われても……」

「行きたい所はありませんか?」

「行きたい所ね……」


(北海道、なんて言っても無理だしね……)


「涼しい所がいいけど……あ、建物の中じゃなくてね? でも、近くにそんな場所はないもんね……」

「そうですね……あ、高い所はどうですかね? きっと涼しいと思いますよ?」

「そうかもだけど、近くに高い所なんかあるの? あ、スカイツリーとか?」

「ああ、それは確かに高いですけど、建物の中ですよ?」

「そうか……。困ったわね……」

「僕に任せてください」

「あるの? そんな場所が」

「はい。富士山です。あまり近くはないですが、遠くもないし、五合目まで車で登れますから。五合目でもそうとう高いですから、きっと涼しいと思います」

「なるほどね……」

「じゃあ、そういう事で、出発!」


という事で、二人を乗せた車は、富士山を目指して西へ走り始めた。

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