『一生のお願い、聞いてよ。』
結羽ちゃんの言葉で、"聖人"が誰なのか分かった。
あたしの席の左後ろの席の人。
痩せてて、眼鏡だ。
顔が分かった瞬間、ゾッとした。
「あたし、帰るね」
保健室の先生『え?!』
勇治『りょう?!』
結羽ちゃん『りょうちゃん?!』
三人に背中を向けて走って保健室から出た。
家について、何気なくポストを開けると、前に聖人からもらったときと同じ封筒が入っていた。
その場で封筒を開けると、四つ折りにされた紙が四枚と、写真が一枚入っていた。
写真は、タバコを吸いながら歩いてる写真。
紙は、四枚とも絵だった。
あまりにも上手すぎて、気持ち悪いを通りすぎている。
もっと他に才能使うとこあるだろ、と思った。
絵は、顔のない人とキスしてるあたし、バックから犯されてる裸のあたし、恥ずかしそうに座って足をM字に広げている裸のあたし、裸で四つん這いになってるあたしだった。
もちろん聖人の想像上だから、胸の大きさとかお尻の大きさなどは違ったけど、顔は誰がどう見てもあたし。
気持ち悪いとか、怖いと言うより、これを誰かに見られたら、と言う不安が大きかった。
あたしはそれを部屋に持っていき、灰皿の上で絵と写真を燃やした。
それから、学校は行かなかった。
先生が来る時間まで家でゴロゴロして、先生が来て勉強して、の毎日。
先生へのドキドキは変わらない。
いつの間にか、もう7月に入っていた。
近くても遠い先生に触れたいという気持ちが抑えきれなくなっていた。