『一生のお願い、聞いてよ。』
「前見て歩けよばばあ!」
あたしはぶつかった女の人に怒鳴ってしまった。
前を見てなかったのはあたし。
女の人にタバコがあたってしまい、綺麗な洋服が少し焦げて穴が開いてしまっていた。
女の人『ごめんなさい』
どう考えてもあたしが悪いのに、女の人は深々と頭を下げた。
「あ、いや…」
それを見て罪悪感に襲われた。
女の人『怪我はない?』
「ないけど…」
女の人『よかった』
女の人は、ニコっと優しく笑った。
謝らなきゃ。
女の人は、軽く頭を下げて歩き始めてしまった。
謝らなきゃ。謝らなきゃ。
どうしてもプライドが邪魔をする。
女の人の背中がだんだんと小さくなっていく。
謝らなきゃ。謝らなきゃ!!
あたしは女の人を追いかけた。