『一生のお願い、聞いてよ。』

声をかけたのはいいけど、やっぱり怖くて言葉が出ない

『………あ、そうか』

その人は、よいしょとあたしから1メートルくらい離れて座り直した。


『近かったね、怖かっただろ?ごめんね?』


その人はそう言って自分の周りにある石を池に投げていた。

(なに?あたしに気を遣ってくれてるの?)


『名前は?』

「え?」

『君の名前』


何があったの?とか、聞かないの?

名前って…


「りょう…」

『りょう?』

「う、うん…」

『俺もりょうだよ』

「え?」

『俺の名前もりょう!奇遇だね(笑)』


りょうくんはニコッと笑った


『俺さー、さっき彼女のふられたんだよねー!』

「へ?」


予想外の話題で変な声が出てしまった


『喋りすぎでうぜえって言われたんだぜー、ひどくねー?(笑)』

「はぁ…」

『あいつさー、あんま喋んなくて話続かねえから俺が喋ってんのにさー!』

「はぁ…」

『なんなんだよまじで!俺は一生懸命話がつきないように話題探して面白い話とかしてんのにさー、うぜえだぜ?面白くないとか滑ってんの分かんないの?とか言われたんだぜー!暑苦しいとかさー!ひでえよなー!くっそー!』


うわー!と叫びながら石をがむしゃらに池に投げ出したのがおかしくて、笑ってしまった。


『あ、笑った!』

「あ、いや…」

『まさか俺の失恋がりょうの笑顔になるなんてな!失恋も役に立つときあるじゃん!でも俺かわいそー!』

「はは(笑)」



何?

この人、ばかなの?

ほんとは怖くて大声で泣きたいのに、この人といると気が狂う



「あの」

『何ー?』

「聞かないの?」

『ん?何を?』

「何が…あったのか…」

『聞かないよ(笑)』

「どうして?」

『何があったとしてもりょうはりょうだしー?うざくてもうぜえのが俺だしー?(笑)』

「は?(笑)」

『女の涙は見たくねえんだよ、今は辛いだろうけど、それ以上に笑わせてやるからよ!すべってるらしいがなー!くっそー!』

「はは(笑)」


りょうくんは、不思議な人
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