『一生のお願い、聞いてよ。』

『よーし、俺もむかついてるし!やるか!』

「え?なにを?」

『ほら』


りょうくんは壊れたビデオカメラをあたしに手渡した。

りょうくんは、左手の中指から指輪を外した。


『これ、彼女とのお揃いの指輪。あ、彼女じゃねえや、元カノか』

「はぁ…」

『よっしゃ、見とけよー!』


りょうくんは勢いよく指輪を池に向かって投げた。

が、奇跡的にすぐ手前にあった木にぶつかって戻ってきた。


『「ちょ(笑)」』


あたしとりょうくんは顔を見合わせて笑った。


『よっしゃ、今度こそ!』


りょうくんは指輪を拾って池に向かってもう一度投げた。



綺麗な弧を描いて、月に照らされてキラキラしながら指輪はポチャンと池に綺麗な波紋を描いた。


りょうくんは、野球してたのかな。

フォームがとても綺麗だった。
< 21 / 159 >

この作品をシェア

pagetop