『一生のお願い、聞いてよ。』


頭からシャワーを浴びていると、頭がフラフラした。

(貧血かな…)

あたしはシャワーを止めて体を拭いた。


ズキズキ

ズキズキ


あちこちがズキズキする。


「はぁ…」


今日朝起きてから、何回ため息ついたんだろう。



部屋に戻ってまたベッドに寝転がった。



(てか、今何時だろ)



いつもケータイを充電している所に手を伸ばした。


……あれ


ケータイがない


起き上がるのがダルくて手探りでコードを探して、そのコードをたどってみたが、ケータイはささってなかった。


(あれ?)


めんどくさがりなあたしは、起き上がるのがほんとにダルくて、ベッドの周りをあちこち手探りで探した。


頭の上のとこのぬいぐるみが並んでるところを探った。


ゴンッ

「いたー!」


何か重たい固いものがおでこに落ちてきた。

ケータイかと思ったけど、紅茶花伝だった。


「あ…」


恐怖ばかりで、りょうくんのことはすっかり忘れていた。


でも、紅茶花伝を見た瞬間、りょうくんへのドキドキを一瞬で思い出した。
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