『一生のお願い、聞いてよ。』

結局ケータイは手探りでは見つからず、体を起こして探したけど、ケータイは見つからなかった。


(池に忘れてきたのかな…それともあいつらに持ってかれた…?とにかく、ケータイは諦めよう…)


今度お母さんが仕事休みの時にでもショップ連れて行ってもらお。


その日は部屋から出なかった。


お腹も空かない。

トイレも行きたくならない。

ただ、すごく眠かった。




1日ずっと寝ていた。



目が覚めると、外は真っ暗だった。


「え、もう夜?寝過ぎた」


独り言を溢して、体を起こした。


体のズキズキはおさまらない。


時計を見ると、2時半だった。


フラフラと外に出た。


「りょうくん」


呼んでみたけど、もちろんいるはずもない。

「はぁ…」


ため息だけを残して、部屋に戻った。


ベッドに寝転がるけど、今までずっと寝ていたせいで、眠れなかった。


じっと、何をするわけでもなく、ただただ天井を見つめてた。


コンッ


窓になにかが当たった。


重い体を起こしてゆっくりカーテンをあけたけど、何もいないし何もない。


(気のせいか…もしやオバケ…ひぃぃ)


オバケとかそういうのが大の苦手なあたしは、慌ててカーテンを閉めた。

ベッドに寝転がり、ふぅ、と1つ大きく息を吐いた。


(…………でも、はっきりコンッてなったしなぁ…)



気になって仕方がない。

もう一度立ち上がってカーテンをあけたけど、やっぱり何もない。

窓もあけて下を覗くと、ケータイに着けていた小さなクマのストラップが転がっていた。


(これ…あたしの…?)



部屋を出て外へ出て、窓のところへ行った。


(やっぱり…あたしのだ…)

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